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2013年4月。
しばらく、まともに本が読めませんでした。以前は、図書館で10冊以上の本を借りては、読み終えて2週間で返していたのに、この2年間は、3〜4冊の本も読み通せずに返却期限を迎えていました。
その分、ネットをだらだらと見たり、無為な時間を過ごしていたように思います。今も、そういった傾向は終わっていないのですが。
これも、震災の影響なのでしょうか。自分は何ら直接的な被害は受けていないのに、心のダメージが大きいです。
読んだとしても、読むだけで精一杯で、『心の本棚』に感想が残せませんでした。心のリハビリも兼ねて、またボチボチと感想を書いていこうかなと思います。
この小説は、美和さん、絵梨さん、ミチルくんの関係が軸になっています。
絵梨さんが住むマンションが中心的な舞台。
夫と二人暮らしの美和さん、たくさんの恋人がいても満たされない絵梨さん、育った家庭を捨てて放浪するミチルくん。
みんな、心に満たされないものを抱えていて、それを埋めあおうとする切なさが、迫ってきます。
比較的淡々と進行するのですが、最後の章で、物語が大きく展開していきます。
全体に、純粋で透き通ったイメージの、美しい読後感。物語の筋というより、全体的な印象が、心に残り続けるような、良品でした。
2013/04
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