『図書館の神様』 瀬尾まいこ 著


好きな女性作家のひとりです。小川洋子さん、小川糸さん、そして、瀬尾まいこさん。

ベルメゾンのオンラインショッピングでは、商品を選ぶと、「この商品を選んだ人は、他にこんな商品もチェックしてます」というメッセージが出ますが、「この作家が好きな人は、この作家も好きな傾向にあります」の三者かも知れませんね。

作風が似ていて、かわいらしく上品な作品が多いです。


この本も、瀬尾さんの普段の仕事を反映していて、主人公は高校の講師です(清と書いて「きよ」と読む女性)。

若いけれど、過去に人生観を変えるような大きな出来事があって、そこから生き方を変えて、ちょっとやる気無く、淡々と日々を過ごしてる。淡々としているようでいて、その出来事から、気持ちが回復出来ていない。

そこに、妻がいる恋人、やさしくて繊細な弟、そして、顧問をやっている部活の男の子が、リンクしてきます。

物語に、山本周五郎の「さぶ」の主人公は誰なのだ?という話が出てくるんだけれど、この物語も、「図書館の神様」は結局誰なのか、どういうことなのか、ということが明確には描かれず、でも、最後まで読むと、何となく分かります。

高校生、垣内君と清さんの会話がすごく良いです。

垣内君の歩んできた道や傷が、清さんとリンクして、大きな出来事はないけれども、清さんが段々と気持ちの整理をつけていく感じがうまく、描かれていると思います。

垣内君だけではなくて、恋人や弟の存在も影響しているのですが。

そして、図書館という存在も、大きな癒しとなっている感じがあります。

ワタシは、図書館が大好きなので、図書館を舞台としたこの物語も、おもしろく、読んでいて気持ちよかったです。

あっという間に読めて、ワタシは多分、1時間半位で読了しました。

inserted by FC2 system